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コーチングに対する思い by 古平弘樹

1  自己紹介

初めまして。弁護士・税理士の古平弘樹(こだいらひろき)と申します。弁護士は2008年、税理士は2021年に登録し、活動しております。
案件としては交通事故が多く、とりわけ物損の修理費の争い(板金、塗装、整備に関する修理項目及び修理金額に関する損害論の争いなど)に最大の強みがあります。
近時は小説家や動画等のコンテンツのクリエーターに価値提供するべく著作権法の分野に力を入れています。
また、会計・税務についての紛争(税務調査や課税処分に対する不服申立て)の予防・解決のため税理士登録して研鑽を積んでいます。

2 コミュニケーションの大切さについて

弁護士の仕事というのは法的な紛争に対して助言し、解決するというものです。一言で言えばそうなのですが、実際の仕事は一言では言い表せないくらい、大変な側面があります。

弁護士が依頼者の代理人となり、対外的な窓口となるわけで、ある意味、依頼者の盾となるようなイメージもあるかもしれません。相手方からの攻撃を受け止めて防御し、依頼者の言い分や証拠をもとにして戦うような、そんなイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
このようなイメージも一つの側面ではあるのですが、このイメージだけだと弁護士も依頼者も辛い状況に立たされることもあります。

紛争の解決には解決の内容や方針についての意思決定が求められます。この意思決定は誰がするでしょうか。依頼者は法律に詳しくないんだから弁護士が意思決定するに決まっている、と思っている方もおられるかもしれません。弁護士は解決の内容や方針について説明をすることはあります。ただ、弁護士が意思決定するということはありません。意思決定するのは依頼者です。その紛争は弁護士の紛争ではなく依頼者の紛争であり、依頼者の人生だからです。

依頼者の人生の主役はあくまでも依頼者であり弁護士ではありません。この意味では依頼者をランナーとすると弁護士は伴走者であり、依頼者がより良い人生に進むことができるよう一緒に走り、励まし、解決というゴールまで導いていきます。私はこちらのイメージをする方がよりよりコミュニケーションのためにも良いのではないかと思っています。

そんな伴走者である弁護士が、ゴールの内容やゴールまでの行き方については間違えずに行くんだからということで、聞いても返事がないとか遅いとか、依頼者が辛い気持ちを共有したいからということで気持ちを話そうとしても、それはゴールとは関係ないとして話を聞かないとか、ゴールまでどれくらいのお金がかかるのか、どれくらいの時間がかかるのか、どれくらいの労力を要するのかについて教えてくれないとか、そういった人であった場合、あなたがランナーだったとしたらゴールまで走り抜けるでしょうか。

辛くて走り抜けないのが普通ではないでしょうか。いくら結論が正しくても、それは依頼者にしてみれば後からわかることですし、その結論に至るプロセスに不満があれば、それは正しい結論であっても不満が残るのは当たり前です。冒頭のイメージのように弁護士が盾になっているんだから後ろに下がっていろ、というのでは状況もわからず、先の見通しも分からず、最終結果まで不安が続いてしまうことになるでしょう。

解決に至るプロセスがとても満足できるものであったなら依頼者はどうでしょうか。もしかしたら結論の内容は関係なくなるかもしれません。過去に依頼者から「先生にここまでやっていただいたので裁判の結果がどうなったとしても構わないです。」という大変ありがたい言葉をいただいたことがありますが、そのような気持ちにさえなってくれることもあるのです。

一般的に弁護士は結論が何かということについては文献を調べたり裁判例を調べたりするなどして一生懸命やる人が多いですが、結論に至るプロセスをどうするかということについて一生懸命になる人は限られているかもしれません。

このように、弁護士と依頼者とのコミュニケーションの大切さというのは、強調してもしすぎることはありません。

3 弁護士✖️コーチングの可能性について

私は、この結論に至るプロセスをどうするのかについてを一生懸命やることの一つの手法がコーチングであると思っています。コーチングが何たるかについて語るほど習得してはおりませんが、コーチングが結論に至るプロセスをどうするのかについて一生懸命やることの一つの手法であることは間違いないと思っています。

コーチングに出会う前から、私は弁護士として、法的な解決のみならず、精神的な側面についての安心だったり、納得だったり、前向きな気持ちだったりなどの言わば心の解決も一つの無形の価値として提供できるよう心掛けていました。そしてコーチングに出会ってから、こういった心掛けをするために、コーチングを学ぶ有用性を実感しております。

案件をご紹介いただく企業の担当者からも「古平先生に紹介すると依頼者がみんな喜んで私にもお礼を言ってくれるんです。」と、これまた大変ありがたいお言葉をいただいており、コーチングについての研鑽をより一層積んでいきたいと思っています。

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